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2009年度

映画「うん、何?」 プレミアム上映会 パンフレットより(4月24日)

「学部教育の理念と目標」より(4月2日)

 

映画「うん、何?」 プレミアム上映会 パンフレットより

ベンチャー起業論特別講義 

パンフレットより

2009年4月24日

経済学部長 齋藤参郎

 

 経済学部ベンチャー起業論特別講義へようこそ。

 

 本年は、福岡大学経済学部創立50周年にあたります。経済学部は50年の長きにわたって歩んできたわけですが、私たちは、この特別な年を、福岡大学経済学部が、新たな半世紀にむかって自己変革していくスタートの年にしたいと考えています。

 

 そのためにさまざまな記念事業を企画していますが、本日は,ベンチャー起業論の講義の一環として、錦織監督による映画「うん,何?」をプレミアム上映・一般公開し,監督と女優の宮崎美子さんに講義していただけることになりました。このような企画を経済学部創立50周年記念事業として開催できることを大変うれしく思っています。

 

 さて、経済学部では「世界や地域で次世代リーダーとして活躍できる、優れた経済人、産業人の育成」を学部教育の目的に掲げています。しかし、これは結果であって、大切なことは、福岡大学経済学部で学んだ、あるいは、学んでいる、すべての人々が、社会へどのような貢献をおこなうことができるかについて、それぞれの思いと志をどれだけもてるかにあると思っています。そのために、学部教育の行動指針に、「他者の評価を借りるのではなく、自ら考え、自らの考えを検証し、自己自身の評価を形成できる自立的な市民である」ことを掲げています。

 

 本日上映される、錦織監督の、この作品は、地域の魅力を若者が発見する感動的な作品であると聞いています。しかし、全国ロードショーといった大手の映画配給システムにのっていない映画であり、そのため、学生諸君が、このような感動的な映画を福岡で上映することを目指し、観客動員、プレスリリース、映画館への働きかけなど、自発的に盛り上げて行っていると聞き、大変、喜んでいるところです。

 

 これまで、学問の分野でもそうですが、自らの評価を放棄し、西洋、中央、メジャーといった評価に自らの評価をゆだねてしまっていることがなんと多かったことでしょう。自らの目で見たこと、感じたこと、考えたこと、評価したことを、大切にはぐくみ、他者に、少数でもいいから自ら伝えていく。福岡大学経済学部は、自ら独自の視点と評価をもった多様な考え方を許容し、学部の独自性としてはぐくんでいけるような、懐の深い、許容力をもった学部になりたいと考えています。

 

 錦織監督のこの作品を契機とした、この特別講義と学生諸君の盛り上がりは、そのような方向への一歩を示すものと考えています。

 

 最後に、本日の特別講義を、福岡大学経済学部創立50周年記念事業として開催することに、ご尽力いただいた関係者の方々に深く感謝いたしますとともに、本日、ご参加の方々をはじめとする多くの方々に、今後とも、福岡大学経済学部に励ましとご支援の程よろしくお願い申し上げます。

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「学部教育の理念と目標」より

2009年度『学修ガイド』

「学部教育の理念と目標」より

2009年4月2日

経済学部長 齋藤参郎

 

 本年度、経済学部は設立50周年を迎えます。1959年の設立以来、経済学部は、すでに約4万1千名の卒業生を社会に送りだし、その中から多くの有為の人材を輩出している伝統ある学部です。

 

 ここでは、まず、経済学部の教育の理念、目的、行動指針、目標を標語として掲げ、次いで、それらの考え方や意味について説明を加えたいと思います。

 

(1)学部教育の理念

学術振興を通した教育・世界への貢献

経済学および関連諸科学における活発な基礎的、先進的な研究活動を行うことを通して、質の高い大学教育の場を形成・提供し、有為の人材の育成に結びつける。

 

(2)学部教育の目的

世界や地域で次世代リーダーとして活躍できる、優れた経済人、産業人の育成

 

(3)学部教育の行動指針

  • 教員、学生をはじめとする経済学部で学ぶ者すべてが、真理の前に互いに対等な一学徒として、ともに学び切磋琢磨すること。
  • 他者の発想に敬意を払い、自立的な動機付けと問題発見に関わり、持続的な学習を実践すること。
  • 他者の評価を借りるのではなく、自ら考え、自らの考えを検証し、自己自身の評価を形成できる自立的な市民であること。
  • 自らの考えを社会の中で、どのように実践し、社会の発展に寄与できるかに心を砕くこと。

(4)学部教育の目標

  • 入学時と比べて卒業時までに大きく自己成長できる教育学習機会の提供
  • 経済学の基本的な考え方の習得
  • 考える力、独創性の育成
  • データや事実にもとづいた論理的な考え方の養成
  • 問題発見、形成、解決能力の涵養
  • キャリア意識の醸成
  • 体系的専門性(スペシャリストなど)への方向付け

 大学の存在意義は学術の振興による世界への貢献にあります。経済学部は、経済学と関連諸科学への学術的貢献に向け、不断の研究活動を行うことが、真に質の高い大学教育の場を形成し、結果として有為の人材の育成に直結する、との理念にたっています。

 

 私はこの経済学部の理念を、「学問の方法」を学ぶことに力点をおいた研究重視の学部教育、あるいは、研究と教育の融合ともいっています。その理由は、次のとおりです。

 

 これからの社会では、既存の成功モデルの踏襲ではなく、新たな価値の創造が求めれれています。そのためには、学んだものを現場で、応用実践していく能力が求められます。現状の課題が何か、問題を発見し、解決していく能力です。大学でそれを身をもって学ぶ最もよい方法は、研究の現場に立ち会うことだと私は思っています。研究は、現状の何が問題なのかを認識し、自らの考えを、他者の考え方の流れの中に位置づけ、何が新しいのか、何を解決したのか、を明確にしていくことに他ならないからです。これを私は「学問の方法」と呼んでいます。社会に出て、現場で問題に対処するときには、研究とは対象が違っても、対処する態度は、ここで述べた「学問の方法」と同じだと私は考えます。

 

 このような経済学部の理念を実現するためには、「学生と教員とが、真理の前に対等な一学徒としてともに学び互いに切磋琢磨する」といった行動指針が、学生と教員の双方に不可欠です。また、経済学部が責務として提供すべき教育環境や、皆さんが講義、演習を受講することによって習得すべき力を、学部教育の目標として掲げています。

 

 この学修ガイドには、経済学部が提供する様々な講義、演習が記載されていますが、それらは主に次のような考え方によって構成されています。

 

 まず、経済学部の専門教育のコアとなる講義とゼミナール(演習)です。これらは伝統的な基礎から応用・実践への積み上げ方式にしたがって、1年次に、その土台となる、論理的に考える力、データや事実を収集し分析する力、経済学の基本的な考え方などを学ぶ講義が用意され、2年次以降には、経済学科3コース(実践経済分析、応用経済、社会経済)、産業経済学科2コース(企画戦略、社会システム分析)に分かれ、それぞれ専門知識を更に深く学ぶ講義と少人数クラスでのゼミナールが用意されています。

 

 一方、新たな試みとして、企業のトップや起業家、実務家による講義(「情報社会と経済」「ベンチャー起業論」「実務経済論」など)の提供、現場での体験、調査を重視した演習型講義(「フィールドスタディ」)の提供、問題志向型学習を重視した演習型講義(「社会システムワークショップ」)の提供、海外研究者が英語で講義する「海外研究者特別講義」の提供などがあります。また、多くの海外交換留学の機会も用意しています。

 

 これらの試みは、早い段階での学習への動機付け、興味ある問題の発見、問題解決能力の養成、また、複数の教員と少人数の学生が、問題発見から解決策の提案まで一緒になって研究を行う多視点学習などへの試みであり、生涯にわたって持続的に学習していくために不可欠な「学問の方法」を学ぶための試みといえます。

 

 経済学部では、セメスター(半年間講義)よりも短い期間で、自己評価や学習到達度の評価などをフィードバックし、自分の実力や技能が日々向上していることが実感でき、卒業時にはそれぞれが大きく自己成長できたと自信をもって、自分や社会に主張できる学習機会を提供したいと考えています。

 

 皆さんは、これらの多様な機会を活用し、明るく元気に、大きな夢に向かって、有意義な学生生活を過ごしてください。

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