福岡大学都市空間情報行動研究所(FQBIC)

お知らせ

FQBICポストドクター今西衞氏が今年度の日本地域学会学会賞奨励賞を受賞します。2011年10月8-10日開催の日本地域学会で表彰式(10月9日)が行われます。

FQBICのポストドクター今西衞氏が今年度の日本地域学会学会賞奨励賞を受賞します。

今西氏は、『地域学研究』に掲載された、斎藤参郎所長との共著論文「市街地再開発事業のリスク評価」地域学研究 Vol. 40 (2010), No. 3, pp.617-632、の研究業績が認められ、 日本地域学会より、若手研究者を対象とした学会賞奨励賞を授与されることとなりました。

本論文は、事業プロジェクトのリスク評価が、キャッシュフローの不確実性など、主に単一の事業主体の観点からなされてきたのに対し、複数の主体が関与する市街地再開発事業などにおいては、関係する主体の数や選好、事業手続きの構成の違いによっても、リスクが変化するとの視点から、市街地再開発事業のリスク評価の枠組を構築したものです。とくに、市街地再開発事業のプロセスを、再開発ビルの建設および保留床処分の2段階の入札ゲームとして定式化し、ゲーム参加者の選好が一様分布のもとで、再開発事業の事業リスクを理論的かつ明示的な解として求めることができることを示しました。さらに、本モデルを再開発事業が破綻した福岡市での事例にあてはめ、破綻の債務総額が、モデルの予測値に近い値となることを示しています。授賞式は、和歌山大学で2011年10月8日から10日に開催される第41回日本地域学会年次大会の総会(10月9日)で行われます。

なお、FQBICの関係者では、今回の今西氏を含めて、これまで日本地域学会学会賞奨励賞を3件、学会賞論文賞を1件受賞しています。

論文
今西衞・斎藤参郎, "市街地再開発事業のリスク評価", 地域学研究, 日本地域学会, Vol.40, No.3, pp.617-632, 2010. J-Stage
日本地域学会プログラム
http://www.wakayama-u.ac.jp/~yoshida/jsrsai2011/jsrsai2011program110912.pdf