福岡大学都市空間情報行動研究所(FQBIC)

講演

2011年10月27日(木)に、インターネットカンファレンス2011において、斎藤参郎所長が「マイダス・タッチ・エコノミー(Midas Touch Economy」と題する招待講演を行いました。

2011年10月27日(木)に、インターネットカンファレンス2011において、斎藤参郎所長が「マイダス・タッチ・エコノミー(Midas Touch Economy)−スペースエクイティ創発ビジネスとまちづくり−」と題する招待講演を行いました。

ICTの活用によってまちの価値をどのように高めることができるのか、福岡大学都市空間情報行動研究所(FQBIC)が開拓してきた研究領域である回遊行動分析の研究成果を交えながら講演しました。

講演の概要は以下の通りです。

FQBICは、今年3月3日に開業した新JR博多駅ビル「JR博多シティ」の開業の直前、「JR博多シティで天神・博多の人の流れはどう変わるか」の研究成果をニューズリリース
(http://www.qbic.fukuoka-u.ac.jp/download/archive/fqbicreport/20110226newsrelease.pdf)
として発表しました。この予測結果は、2011年2月27日の西日本新聞、毎日新聞の朝刊第1面で取り上げられました。

実際、開業後6か月が過ぎて、この予測があたっていたのか、が問題となりますが、この話題を導入として、なぜ、FQBICがJR博多シティ開業後の人の流れを実数ベースで予測することができたのか、その基礎となったFQBICの回遊行動分析の特許技術をまず紹介しました。

さらに、人の数ばかりではなく、まちの価値を、まちを訪れる来訪者の心のなかに醸成される当該都市の魅力資産価値、「都市(スペース)エクイティ」と捉えると、まちの価値を高めるためには、まちをどのような機能と施設で構成すれば、どのような来訪者のどのような来訪価値をどのように高めることができるのかを知ることが重要となります。

そのためには、現場で、来訪者が、位置情報をともなった都市空間情報と、スマホやタブレット型端末など知的モバイル端末を介した相互作用を引き起こすことが必要です。そのような相互作用を引き起こす位置情報プラットフォームをプロモタウン(PromoTown)システムと呼びます。

まちへの来訪者は、プロモタウンの使い勝手が便利で、プロモタウンとの情報のやり取りが、まちなかでの意思決定に役に立ち、まちへの来訪価値が高まれば、プロモタウンとの相互作用が増えます。商店などプロモタウンへの情報提供者は、情報提供によって、来店者が増え、売り上げが増えれば、プロモタウンへの情報提供を増大させことになります。このように、まちへの来訪者と商店の間に、プロモタウンを介在した、ポジティブフィードバックループが潜在的に存在します。

したがって、まちのTMO(Town Management Organization)などの組織は、プロモタウンのプラットフォームを提供するとともに、この潜在的なポジティブフィードバックループを顕在化させる役割を持たなければなりません。

まちづくりや中心市街地の活性化など、これまで様々な政策が試みられてきましたが、それらの政策効果を評価し、次の政策に活かしていくことが、これまであまりできていませんでした。回遊行動などのマイクロデータを活用すれば、まちづくりや中心市街地の活性化政策を多様な個人のミクロなレベルでの評価することができるばかりではなく、JR博多シティの例のように、回遊行動のマイクロデータを活用して、まち全体へのマクロレベルの効果をより正確に評価できるようになります。

このように、人々の回遊行動に着目することで、これまで経験と勘にたよっていた中心市街地活性化政策から、科学的評価にもとづいた積み上げのきく政策形成が図れることになります。

Midas Touchとは、ギリシャ神話からの引用です。ミダス王が触れたものすべてが黄金に変わる、という神話です。今日の話は、この神話になぞらえ、ICTを活用することで、来訪者が、普段何気ない周りの事象に、目を向け、その意味と価値を知るようになって、来訪者の来訪価値が高まり、商店など情報提供者も潤えば、プロモタウンを介した相互作用によって、周りの事象すべてが、これまでと違った価値あるものとして輝きだし、まちの価値が高まることになり、経済効果も生み出すことになります。

日時・場所

招待講演

斎藤参郎所長「マイダス・タッチ・エコノミー(Midas Touch Economy)ースペースエクイティ創発ビジネスとまちづくりー」

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