福岡大学都市空間情報行動研究所(FQBIC)

講演

2011年6月23日(木)に、IMESコンソーシアム設立記念講演会において斎藤参郎所長が「位置情報の利活用〜スペースエクイティ創発ビジネス〜」と題する講演を行いました。

2011年6月23日(木)に、慶應義塾大学三田キャンパスで開催されたIMESコンソーシアム設立記念講演会において 斎藤参郎所長が「位置情報の利活用〜スペースエクイティ創発ビジネス〜」のタイトルで講演を行いました。

IMES(Indoor MEssaging System)は、屋外のGPS信号と同じ形式で、屋内の信号発信器から、緯度、経度、建物の階高を、直接GPS受信機に送ることで、屋外、屋内の測位をシームレスに行うことを可能にする、日本発の技術です。斎藤参郎所長は、2008年より、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)内のgコンテンツ流通推進協議会に設置されたシームレス測位委員会の委員長を務め、IMESの普及促進を目指したビジネスモデルの開発に取り組んできました。

最近、IMESの技術が海外からも大いに注目されるようになり、その結果、今回、2011年6月23日に、更なるIMESの普及促進を目的として、IMESコンソーシアムが設立されました。

IMESコンソーシアムの設立総会の後、設立記念講演会が行われ、ミスターインターネッ トの村井純慶應義塾大学教授、日本のGPSシステムである準天頂衛星の立役者である柴崎亮介東京大学空間情報科学研究センター教授による特別講演に引き続き、斎藤参郎所長による講演が行われました。

「スペースエクイティ創発ビジネス」と題する講演で、斎藤参郎所長は、次のように語りました。

本年3月の九州新幹線鹿児島ルート全線開業は九州の大きな話題である。とくに、これにともなって、新博多駅ビル「JR博 多シティ」がオープンし、博多に大きな商業核ができることから、J天神と博多の人の流れがどう変わるか、これが地元の大きな関心となっている。FQBICは、その影響を予測し、ニューズリリースした結果が地元紙の1面に取り上げられた。そこで、その後の開業後の報道からみて、FQBICの予測は、当たっていたのか、が問題となる。JR博多シティ開業後、3か月の動きでは、FQBICの予測がかなり正確だった。では、なぜ、FQBICは実数ベースでの集客数や売上高を正確に予測できたのか?実は、その背景には、FQBICが、これまで新しい研究分野として開拓してきた回遊行動分析の 方法や特許となっている来街地ベース回遊パターンの一致推定法の技術がある。

これらの研究は、個々の消費者の回遊の行動履歴がベースとなっており、回遊は、場所の移動であるから、消費者の行動にともなう位置情報の履歴の取得が重要となる。したがって、消費者の屋外、屋内での行動履歴の位置情報をシームレスに取得を可能にするIMESの利活用が重要となる。

さらに、シームレス測位の環境は、消費者が携帯端末を通して屋内・屋外で位置情報 を取得できると同時に、その位置情報にもとづいた消費者への情報提供ができることを意味する。

私は、まちの価値を、来訪者の心の中に醸成された当該都市の魅力資産価値ととらえ、これを「都市(スペース)エクイティ」と呼んでいるが、まちや商業施設を訪れた消費者の来訪価値をどのように高め、まちや商業施設の価値を高めることが課題となる。

太宰府市の歴史の散歩道、ICエコまちめぐりの事例からもわかるように、IMESを導入によるシームレス測位の環境は、位置にもとづいた的確な情報提供によって、消費者の来訪価値を高めることで、店舗、ビル、モールなどの価値やまちの価値を高めるとともに、これまで曖昧であった様々な施策の効果の計測を可能とする。

シームレス測位の環境は、商業施設ごとに異なっても、自治体ごとに異なっても、消費者の混乱を招くだけで、価値は低い。広域自治体間の連携や都市内の商業コンプレックス間の連携が実現するプラットフォームとなっている必要がある。

日本が世界に先駆けてこのようなそシームレス測位のプラットホームを構築できれば、これをパッケージとしてアジアに輸出することで、日本の活力の復活にもつながる。

日時・場所

講演

斎藤参郎所長「位置情報の利活用〜スペースエクイティ創発ビジネス〜」